イストラ半島最大の街であり、ローマ遺跡の残る街・プーラをご紹介します。
プーラの解説動画も掲載します↓
かつてヴェネチア共和国の支配下で、その頃のローマ遺跡の名残として残っているもので最も有名なのがコロッセオ(円形闘技場)です。
旧市街は海沿いにある港街ですが、コロッセオは数十メートル内陸にあり海風からも保護されています。
コロッセオの長さは130mで3万人が収容する事ができ、1世紀に70年かけて造られた建物になります。
ここではグラディエーターと呼ばれる剣闘士と動物との闘いや、剣闘士同士や動物同士が闘う場所になっていました。
血を吸い込みやすいという理由から地面には砂が敷き詰められています。
砂はラテン語でアリーナというところから、現在もアリーナという言葉が定着しているとの事。
クロアチアとイタリアは隣り合わせの国の為、オリーブでもワインでも「うちの国のほうが優れている」と何かと張り合う事が多く、コロッセオもローマにもあるのですが、イタリアのコロッセオよりも状態が良く残っていて、外壁が完全に残っているのが売りにしているポイントになります。
中世期に家を建てる時にコロッセオから石を使っていたそうですが、ルネッサンス時代には石を取るのは罰金になりました。
プーラのコロッセオもローマのコロッセオと同じようにユネスコ世界遺産候補になっていますが、改修の為に現代的なコンクリートを使っていたり、入り口にローマ帝国時代の展示室を作っていたりして、世界遺産に登録する基準から外れてしまっている為、残念ながら登録は難しいそうです。
展示室でも説明があるのですが、ローマ帝国やヴェネチア共和国がプーラに目を付けた理由は陸路・海路ともにアクセスの良い場所というのも理由の1つだそうです。
プーラは重要な軍事基地になり、当時からの造船所もそのまま残っています。
円形闘技場は夏になるとジャズフェスティバルや国際的な映画祭も行われます。
また、ギネス記録として世界一長いネクタイをコロッセオに巻いた事でも有名です。
とても壮大なプランですよね!
旧市街の中心地まで足を運びます。
途中で、5世紀に建てられた大きな教会と鐘楼があります。
さらにまっすぐ進んで行くと、円形闘技場の次に有名なアウグストゥス神殿が見えてきます。
こちらも1世紀に建てられ、ローマ神話に出てくる神様やローマ初代皇帝であるアウグストゥスが祀られている場所です。
プーラの旧市街はバロック様式とゴシック様式が混ざる街並みになっていますが、それは貴族と庶民が一緒に住んでいたからだそうです。
街は第二次世界大戦の空爆で崩れてしまいますが、その半分は修復されています。
旧市街はもともと城壁で囲まれていて、入り口の門はかつて10箇所ありました。
現在に残るのは数箇所のみですが、そのうちの一つ、黄金の門と呼ばれたセルギウスの凱旋門がこちらです。
門から右に続く建物がそれぞればらばらの建築様式になっているのがまた面白いです。
セルギウス門=古代ローマ建築、隣の2つの建物=バロック建築、その隣の建物=ファシズム建築、その隣の木の後ろの建物(木の後ろ側)=ユーゴスラビア建築と続きます。
(木の後ろの建物はほとんど見る事ができず、すみません。)
他にはプーラのシンボルとも言われるヘラクレスの門もあります。
門の上にヘラクレスのレリーフがあります。
街中にはまだまだローマ遺跡が出てくるのですが、それを考古学者と相談しながら掘り起こしてしっかりと整備をしていくには時間がかかり過ぎて全く進展していかないようです。
ローマ遺跡を見るのが好きな人にはうってつけの街です。
プーラに行く際にはロヴィニや有名なワイナリーもあるので、一緒に回るのがおすすめです。
イストラ半島を効率よくまわる専用車チャーターの手配も承っています。
ザグレブからの日帰り旅行や、イストラ半島で数日滞在という ように自由にアレンジ可能です。